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こちらはカードワースのリプレイっぽい書き物置き場です。
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冒険者の宿で・1
2011-07-26 Tue 02:38
シナリオ名  :冒険者の宿で
製作者    :jim様
入手場所   :ベクター



 後にみずたま池の釣り名人と呼ばれるその青年に最初に気付いたのは
 冬を故郷であるリューンで過ごそうと戻ってきた吟遊詩人だった。
 約束の時間まで久しぶりの故郷を堪能しようと
 あちらこちらを歩き回っていた彼女が最後に向かった場所。
 それは子供の頃の思い出が詰まった小さな池。
 父に連れられて釣りをした思い出を脳裏に浮かべながら池を見回すと、
 そこにいつか見たような並んだ影があった。
 夕焼けに照らされた、大きな背中と小さな背中。

(父さま!?)
 
 いや、既に他界した彼女の父がここにいる筈もない。
 まして、よく見れば背の高さが違う。
 後姿ではあるが、服装の印象からして青年だ。
 ややくすんだ外套…旅人だろうか。 
 ただ釣りをしている、その背から目を離せない。
 何でだろう? そう考えてすぐにああ、と悟る。

(なんだか……似てる)

 あれは、旅の途中に見た武芸者同士の立会い。
 緊迫した時間と激しさを増す剣戟の音に、彼女の心も震えたものだ。
 しかし、今目の前に広がる情景は釣り糸をたらしている、ただそれだけ。
 なのに、青年のその凛とした佇まいが伝えるものは、
 何処かその時に感じたものと似ている。
 こういうのを隙がない、とでも言うのだろうか?
 あるいは気品? あるいは気迫? 
 詩人にあるまじき事にその様子を表すに相応しい言葉が見当たらない。
 実を言えば、この青年は無意識に気を張る癖を直すのに
 こうしてリラックスの練習をしているのだが、
 通りすがりである詩人に、それが分かる筈もなかった。

 しばらくして帰り支度を始めた青年は、
 傍らの女の子の桶に自分の釣果を移すと、
 彼女の差し出すほんの数匹だけを受け取った。
 別れの挨拶をしてこちらによたよた歩いてくる女の子。
 ついその手の桶を覗き込んでしまう。

 ―――凄かった。
 大小あわせて十数匹はいるだろう、かなりの大物もいる。

「おねえちゃん、おさかなほしいの?」

 女の子の訝しげな視線に、ふと我に返った。
 慌てて笑顔を浮かべ自分でもよく分からない事を呟きながら
 そそくさとその場を立ち去る。
 それにしても自分はこんな時間まで何をしていたのか。
 ただ、あの青年の立ち姿や子供に魚を分け与える姿に
 妙に惹かれるものを感じたのだ。 
 愛とか、恋とか、そういうものではない。
 詩人としての感性が伝える何かを。
 あるいは、あの人はとても名のある人なのかもしれない。
 あれだけの気配を纏って、あれだけの魚を釣っているのだし。

(明日にでも詩人の寄合所で聞いてみようかな?
 いや、それよりも酒場で……ん? 酒場?)

 やばい、と思う間もなく6時の鐘の声が響く。

「いっけないっ!」

 夜になったら馴染みの酒場で歌う約束をしていたのだ。
 初日から遅刻では今後の契約に響いてしまう。
 詩人は大慌てで灯火の明るい方へと駆け出していった。
 



   ~冒険者の宿【星の道標】~


「ただいま」
「おかえりなさいませ、フィリオン様!」
「おかえり、フィリオン。今日は二匹か。一匹は焼き魚でいいな」
「ああ」
「あ、兄ちゃんおかえり! 今日は何匹釣れたの?」
「えーっと…小魚3匹で1匹普通のをくれるんですよね。
 ミカちゃんとの約束だと。だから、2匹って事は……。
 フィリオン様、段々上手になってきましたね。
 小魚でも6匹も釣れるなんて」
「……5匹だ。中型も釣れたから」


 後日、詩人の寄合場である事ない事付け加えられた噂は
 一人の釣り初心者を稀代の釣り名人に仕立て上げる事になる。

 まあ、冒険者の名声なんてそんなものですよ。
                      by セアル


************************************

シナリオ名  :冒険者の宿で
製作者    :jim様
入手場所   :ベクター


決算はもうしばらくおまちください。


お久しぶりでございます。(土下座)
暑い夏が続きますが皆様お健やかにお暮らしでしょうか?
とりあえず私はバテながらもがんばっていきています。
続き、なかなかかけなくてごめんなさい。
長めなのもあってなかなか上手くまとまりません。
とはいえ、大好きなシナリオだから、書かないのも嫌だし…、
でも、2000人も来てくれたのに、なかなか出せないのが苦しくて
ちょっと変則的にですが、あとに書くつもりだったのを先にあげさせていただきました。
なんか、こういうどーでもいいような日常が好きです。
だからこのシナリオも大好き。
サラ達で赤塔に潜ると、今後書く文が減るのでそれはしませんが、
(サラ達にかんしては6レベルまで、と決めてるので)
別宿のメンバーはがんばってもぐってます。
今回、こんなネタになったのは
フィリオンさんには釣りが似合いそう→適性低め→
それでも繰り返してる間に釣り名人のクーポンゲット→
でもフィリオンさん下手だから名人のわりにあんまり釣れないよ→
じゃあ、どうしてこんなふうに呼ばれるようになったんだろう?
って所から連想しました。
料理の方や聖誕祭で他にもいくつかネタは沸いてますが、そちらは纏められるかな?
にしても、最近はリプレイ書いてる人増えてきてるみたいで嬉しいです。
他の人の見ると自分もがんばるぞって気分になります。
お互いにがんばっていきましょ~!

追記:話に出てきませんが通りすがりの詩人さんがいってる寄合所は、
アノニマスさんのシナリオ、吟遊詩人寄合所のイメージです。
素敵な歌が一杯で多分セアルさんも時々顔を出してると思います。
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コメント
こんにちは、はじめまして。アノニマス(烏間鈴女)と申します。
いつもリプレイ見させて頂いていました。毎度素敵な文章を書いておられて、憧れます。シナリオのよさを損なわずに書いておられるのが本当に凄いと思います。冒険者達への感情移入もしながら楽しく読ませていただいています。
「冒険者の宿で」はプレイした事がないのですが、こうしてのんびり過ごしている冒険者も微笑ましいですね。
今後のサラ達の活躍を楽しみに待たせて頂いても構いませんでしょうか。でも、無理はされないで下さい。
それと、シナリオのプレイありがとうございます。そう言っていただけると本当に凄く嬉しいです。
何だかちょっと支離滅裂になってしまいましたけれど、この辺で失礼致します。
2011-07-26 Tue 21:59 URL | アノニマス #Udys//pU[ 内容変更]
★ ありがとうございます。
いらしていただきありがとうございます。
よんでくださって嬉しいです。
短めなのばかりが増えるかも知れないですが、出来れば小まめに出していけたらなーと思います。
「冒険者の宿で」は、依頼以外でも料理したり猫に餌付けしたり森を散策できたりするのが凄いなーと思うのです。
他にも要素が一杯で、依頼の合間にリューンで休憩してる気分になります。機会があれば是非お勧めです。
(これまでのどのシナリオもそうですが、うちの書き物がその一端になったら、なお嬉しいです)
あ、もちろんアノニマスさんのシナリオも私好きですよ。
特に、吟遊詩人の寄合所の方では、店内で呪歌?(中見てないので自信はないですが)の
キーコードのある曲を弾くとその場にいた人が拍手をくれたりするってのが
設定にとてもあってて凄くこだわりがあって素敵だと思います。
2011-07-27 Wed 13:03 URL | 環菜(かんな) #-[ 内容変更]
大変楽しく読ませてもらいました。

確かに、釣りは不得意なのに、黙々と続けている姿はありありと想像できますね。

ほんわかさせてもらいました。
2011-08-11 Thu 16:37 URL | ceevol #-[ 内容変更]
★ いつもありがとうございます
いつもコメントくださってありがとうございます。
フィリオンさんはパーティでも多分一番根気強いほうだと思います。
なのでまったく釣れなくてもがんばるでしょうねw
2011-08-11 Thu 21:00 URL | 環菜(かんな) #-[ 内容変更]
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